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「フレイル」や「プレフレイル」について、みなさんは考えたことがありますか。フレイル=虚弱状態の意味ですが、要介護状態に陥る前段階のことを指します。
詳しくは、こちらの記事に「フレイルとは?」を解説しております。こちらの記事も是非お読みください。
「フレイル」「プレフレイル」とは?|きかくやさんが運営する水素.labo
これまでの健康審査では「メタボリックシンドローム対策」に対する質問がされてきましたが、2020年度から後期高齢者医療制度の健診にてフレイル検査が始まっています。
要支援、介護状態と認定された方の中で、介護が必要になった理由「高齢による衰弱(フレイル )が13.3%を占めている」と報告があります。
「フレイル」は気づいた時に前向きに対処し、生活習慣などを見直すことで、生活機能を維持したり、向上させたりすることが可能です。心身共に前向きに取り組むにはどのようにすれば良いのか、本記事では、具体的な方法を7つのポイントに分けご紹介します。
目次
1.持病のコントロール
まず前提として大切なのは、自分自身が持っている持病や生活習慣病などを理解し、対処することです。持病が悪化していてはフレイルの予防どころか要介護状態に近づいてしまいますよね。
ぜひ、定期的な健康診断や、お医者様に言われた通りの生活習慣に改善するなど、日頃から適切な処置を取りましょう!
2.感染症予防
フレイル状態になっている方は、体が衰えているため免疫力が低下している人が多いです。
感染症にかからないためにも、こまめな手洗いうがい、咳エチケットを心がけましょう!
感染したくないから家に引きこもるというのはNGです!適度な運動と、会話も健康につながります。予防をしながら、程よく外出もしていきましょう。
3.運動療法
健康長寿の主な柱である「運動」も重要です。
どの年代でも「動く」ことはとても大切です!急に走りなさいということではありません。毎日の散歩や買い物の時間に15分付け足してみたり、階段を多く使ってみたりといった小さな積み重ねを継続的に続けることが大切です。
動くことは肥満が解消されるから健康になるという理由もありますが、筋力を増やすという意味でも大切です。
「高齢期になるとそれまで悪者扱いされていた“脂肪が多い=肥満状態”がそれほど健康に悪影響を及ぼさず、むしろ“筋力不足=サルコペニア”が寿命に大きな影響を与えるとわかったのです。この結果は、高齢期にはメタボ予防一辺倒におちいらず、筋肉作りを中心とした介護予防にシフトしていくべきだということを強く示唆しているといえるでしょう」
引用:フレイル予防は40代から|「加齢と健康の関係を研究」立命館大学、真田樹義教授
と話しています。
運動が元々お好きな方や、毎日散歩しているといった方は、ラジオ体操や、スクワットなど、いつもと違った運動を日常に取り入れるのも良いですね!運動方法などがわからない方などは、YouTubeなどでも簡単に情報が入手できます。
4.栄養療法
栄養療法も健康長寿の柱の1つです。
料理するのは面倒臭いからカップ麺、毎日肉系弁当ばかりで野菜は取らない。そんな方はいませんか?
食べるものは体を作るため、栄養バランスを意識した食事を心がけていきましょう!
一回の量を減らしても、3食しっかり食べることや、1日2回以上主食・主菜・副菜を組み合わせて取りましょう。
料理が大変な方は、市販の惣菜、缶詰、レトルト食品の活用で摂取するのも良いですね!
特に「たんぱく質」を意識するようにしましょう。
タンパク質の摂取が減ると筋肉量が減少します。そして高齢者は、よりたんぱく質の合成がより遅くなるため積極的に摂取するように心がけましょう。
厚生労働省が、たんぱく質の摂取量や摂取コツなどをパンフレットにまとめています。非常にわかりやすくまとめられていますので、ぜひ参考にしてみてください。
食べて元気にフレイル予防|厚生労働省パンフレットより
5.口腔・嚥下(えんげ)機能のケア
食事をして、飲み込む力(嚥下)と、食後のケアも非常に重要です。
噛む力、飲み込む力、も筋肉と共に衰えていきます。そのため、柔らかいものだけを選び食べ続ける高齢者も多いです。実はこれが落とし穴で、できるだけ噛み続ける・飲み込む力を付けるというのが良いといわれています。「噛む力がなくなる→喉に詰まってむせる→食べたくない→栄養が取れず病気になる」といったサイクルに陥り、オーラルフレイルとも言われています。
そして、食後のケアも非常に重要で、歯周病や虫歯にならない対策がとても大切になってきます。歯周病になり噛む力が弱まったり、顎が痛かったりすると、食欲の低下から栄養不足になってしまいます。
これを予防するためにも、定期的な歯科検診や、毎日の食後の歯磨きを徹底しましょう。
その他にも、口内を鍛える運動として、あいうべ体操という口を大きく動かしながら「あ・い・う・べー(舌を出す)」と言うもの。
口を閉じたまま口を膨らましたり凹ませたりする体操で、対策もできます!
6.外出・社会活動への参加
フレイルの原因の一つに社会的要因があったかと思います。
社会との関わりがなくなることで、引きこもりがちになったり、精神的に辛くなってしまうことがあります。気晴らしに仲間と出かけたり、悩みを打ち明けられる環境を外部に作ることで、生きがいや喜びにも繋がっていきます。
負担にならない程度の仕事をしてみたり、家庭でのゴミ出しを習慣化してみたり、身近なボランティア活動、町内会活動への参加など社会の中での小さな役割から参加してみて、外に出る時間も増やしていきましょう!
7.心の健康づくり
心の健康は、自分は大丈夫!と放っておいてしまう人が多いです。体への変化が出にくいため、常日頃から心の安定する生活を目指しましょう。
外出の頻度をあげてみたり、本を読むなど自分の世界に入り込めるものに取り組んだり、悩みをしっかり打ち明けるなどの対策ができます!
うつ病や認知症は、気付かぬうちに発症してしまうことが多いです。気持ちが落ち込んでいたり、やる気がでないなど、日常生活の中での少しの変化を見逃さないよう、家族や周りの方々も温かい目で見守りましょう。
今日からできる年齢別のフレイル対策
今日からできる生活習慣を40,50代の方向けと60,70代の方向けに分けてご紹介します!
ぜひ、今日から日常に取り入れてフレイル知らずの健康な体で過ごしましょう!
40,50代におすすめの習慣
まだ、会社に勤めている40,50代の方におすすめの習慣を5つご紹介します!
仕事や日常生活で忙しく、なかなか時間が取れない方にもおすすめの習慣です。まず筋肉低下を招かないよう、習慣化し、意識的に取り組んでいきましょう!
椅子でもできる簡単なストレッチを5分でも実行
まずは、椅子でもできるストレッチです!
座ったまま3分ででき、デスク下で簡単に取り組むことができます。デスクワークをやりながら習慣化できるよう取り入れてみましょう。
- 姿勢を良くし、足は床にに垂直に。カカトをつけたままつま先だけを上に向けましょう!5セット、余裕な人は10セットを目指しましょう。
- つぎのストレッチは先ほどと逆の動きをします。つま先を床につけたまま、カカトを持ち上げましょう!これも5セット目標に挑戦してみてください。
- 次は、垂直だった足をまっすぐ伸ばして180°に足を上げていきます。
上げ下げを10セット行っていきましょう!
この動きだと非常に簡単ですね。1時間に一度はPCから目を離す、立ち上がるなど作業の効率化にも繋がりますので、ポモドーロタイマーと一緒に動きを取り入れるなどするとより効果的でしょう。
休日を有意義に使おう
仕事や家事が忙しくて、「心ここにあらず」になっている方はいませんか?
自分自身で、心の病にはなかなか気づくことができません。
そのため、仕事が休みの時や少しでも時間が取れた場合は、自分1人の時間(=自分自身と向き合う時間)を作ってみましょう。まだ子供も小さいのに!と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、子育てしながらでも子供がお昼寝している時、寝た後など静かな時間に自分の大好きなことを考えたり、余裕があれば実際に取り組む時間を作りましょう!
人が好きな方であれば、友人とコミュニケーションをとるのもOKです!
自分の本当にやりたいことや好きなことがみあたらない!という方も、自分が心地よいと思うことはなんだろう?と向き合うだけでも、前向きな気持ちにスイッチできますよ。
自分自身や好きなことに使う時間を意識的かつ積極的に増やしていきましょう。
バランスの良い食事を取ろう
これはどの年代にも言えることですが、仕事の関係などで面倒臭いからカップラーメン、ワンハンドで食べられる炭水化物のみ、時間がなく、ファストフードで済ませてしまうという方もいるのではないでしょうか。
おにぎりでも豆類が入っているものや玄米を選んだり、ファーストフードでも野菜サラダやドリンクをプラスするなど、少しの意識で栄養バランスが変わる場合もあります。また、1日1食、主食・主菜・副菜の組み合わせを考えた食事を考えてみるなど、自分自身の意識の向け方を変えるだけで、簡単に取り組むことができるのが食事です。少しずつ「バランス」を考えた食事を意識してみましょう。
具体的にどのような食事がバランスが良いのかわからないという方には、厚生労働省と農林水産省が決定した「食事バランスガイド」を参考にしてみてください。
歯を健康に保とう
当たり前だと思う方も多いと思いますが、歯磨きはとても大切です!
将来、入れ歯になってしまったり歯茎が弱いといった状態でいると食欲もわかず、フレイルに近づいてしまいます。
日頃の歯磨きや、良く噛むことも意識的に実践していきましょう!
固いものを避けて柔らかい肉などを好んでいる人などは要注意です。最近では高齢者ではなくても噛む力が衰えている方は多いことがわかっています。美味しく食べるには、「咀嚼力(噛む力」と「嚥下力(飲み込む力)」が非常に重要なポイントです。
老後も美味しく食事ができるように、口腔ないの健康をできるだけ長く保てるよう、今できることを実践していきましょう。
笑おう
最後は、とてもシンプルで一番大切です!
笑うことは、幸せホルモンを出すだけでなく、自己肯定感も高まり、健康にもつながります!フレイルの要因である不健康な状態や否定的な感情も晴れさせてくれる効果があります!
嫌なことがあったり、上司に怒られた、そんな嫌なことも自分の中で笑いに変えられたら最高ですよね!友達がいないから笑えないではなく、自分の嫌なことも笑いに変えて笑顔でいるうちに仲間が増えてさらに笑いが増える!そんなサイクルを起こしたいですね。
60,70代におすすめの習慣
仕事も退職し、これから第二の人生が始まった60,70代の方にお勧めしたいのは、「外との交流」と「体の健康」です!
病気の心配もせずにセカンドライフを満喫できるよう、しっかり習慣にしていきましょう。
毎日ちょっとでも外に出よう
会社などの外に出る目的から解放されると、買い物以外は家から出なくなる方も多くなってきます。家にずっといると変わらない日常で、例えば知らない場所に訪問する機会もなく、地図をみて道を考えたりすることもなくなります。また、自宅にいると、他人との交流もなく、会話はもちろん、この人はどういう人なのかななど、考えることもなくなります。
退職直後は気持ち的にも休みたい方も多いので、良いですが、この時間が長く続くと、運動もできず、頭も使わず、外的な刺激もなく、体がどんどん衰えていきます。
1日1回でも外に出る、散歩をする、といった小さな習慣を心がけましょう。
また季節柄外にでるのが億劫になってしまうといった方には、簡単ストレッチをおすすめします。
家でできる簡単ストレッチ
- まず一つ目は、片足立ちです!
近くに壁か机など抑えられるものの近くで行いましょう。軽く壁などを抑えながら片足を上げ、60秒キープします。両足を2セットずつ行いましょう。 - 次は椅子に座って行います。両手を組んで上の方に伸ばしましょう。右にグーっと傾けて15秒キープです!今度は左側にも傾け、キープです。こちらも2セットずつ行いましょう。
- 最後はアキレス腱の運動ですね!椅子や壁を支えにし、アキレス腱をやさしく伸ばしていきます。20秒を左右2セットずつ行います!
あまり運動をしていなかった方にはとても体力を使うかもしれませんが、最初は1セットから初めて、徐々に増やしていくのも良いですね!
気に入ったものがあれば日常に取り入れていきましょう。
口の中を綺麗に保つ
3つ目は口の中をきれいに保つです。こまめな歯磨きだけではなく、入れ歯などもしっかり清潔に保っておきましょう!
口の筋肉を保つために簡単な口の運動も取り入れてみても良いです。
- 口を大きく開けて、ぎゅっと閉じる
- 唇を突き出して「う」の形→横に引いて「い」の形
- 先程の「う」の形で左右にワイパーのようにうごかす
この3つを5回以上やってみましょう!
栄養をしっかり取る
健康のために栄養の補給は欠かせません!しっかり運動していても、運動するためのエネルギーがなければ動きたいとも思えないためです。
出掛けないから、お腹が空かないなどと食事の回数を減らしてはいけません。
量を減らしても、1日3食食べることや、1日2回以上主食・主菜・副菜を組み合わせて取ることで、1日のエネルギーをしっかり保つことができます!
楽しく栄養を摂取して、運動に繋げていきましょう!
セカンドライフを友人など他者と過ごす
他の人との関わりを持つと意識することが非常に重要です。例えば、地域のイベントに参加したり、町内会の仕事を積極的に引き受ける、趣味のサークルに参加するなど、他人と関わることでの脳への刺激はとても重要です。仕事をしている時は意識しなくても、事務作業の電話の取次ぎ、社内ミーティング、営業の方であれば得意先との打ち合わせなど、意識しなくても、他人と関わるといった脳への刺激はあったはずです。同じように人と接するということは大切で、頻度は少なくなっても、家族以外の方と接する時間を積極的に作りましょう。
最近では、オンラインツールを活用したコミュニティサークルなどもありますので、活用を考えてみましょう。また普段会えない友人や遠くにいる家族やお孫さんなど、オンラインツールを活用してコミュニケーションをとることで笑顔にも繋がりますね。
日常のちょっとした意識が、人生の質を格段に上げてくれます!前向きに積極的にセカンドライフでも人との交流を楽しんでいきましょう。
まとめ
フレイルの予防方法を解説してきました。フレイルは、ご自身の努力次第で「健康」に、そのまま放置すると「要介護状態」になってしまいます。できることから一つでも習慣化し、大切な人との時間をできるだけ「健康」な状態で過ごせるよう、健康寿命を伸ばしていきましょう!
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