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「広告を出せば売れる」「オウンドメディアを作れば集客できる」といった発想は、一見戦略的に見えても、本質的な企画が欠けていると成果につながりません。
この記事では、施策の前に考える本質のポイント、誰に・何を・どう売るかを見直すべきポイントを解説します。

プロモーション施策はあくまで手段!
誰に・何を・どう売るかを見極めた上で選ぶ必要があるため、この記事読み「本質」を考えられるマーケッターを目指しましょう。
目次
施策ありきのプロモーションは目的が曖昧
たとえば、こんな会話を耳にしたことはありませんか?
- 「集客したいから、オウンドメディアを立ち上げよう」
- 「売上を伸ばしたいから、とりあえず広告を回そう」
- 「他社がやっているから、SNSを始めてみよう」
これらの発想は一見前向きですが、よく見ると「手段(施策)」が先に立ち、目的があいまいです。
戦略の裏付けがないまま施策を走らせてしまうと、コストばかりがかかり、思ったような成果が出ない…という事態になりかねません。
マーケティング施策は「手段」であって「目的」ではない
「施策」とは、マーケティングや販促活動のために用いる具体的なアクションやツールのことを指します。
たとえば以下のような例が具体的な「手段」です。
- 広告運用(Google広告、Instagram広告など)
- コンテンツマーケティング(記事作成、動画投稿、ホワイトペーパー制作)
- Webサイト制作やリニューアル
- SNS運用
いずれも「届けたい相手に、価値をわかりやすく伝える」ための手段です。
その施策、本当に今のあなたのビジネスに合っていますか?
プロモーション施策には、当然ながら「向き・不向き」があります。
施策は「何を売るか」「誰に届けるか」「どんな資源(時間・人・予算)があるか」によって、最適なものがまったく異なります。
❌ よくある「施策ありき」の失敗例とその問題点
NGな施策の例 | 何が問題か? |
高額なBtoBサービスをInstagramで告知し続けている | Instagramはビジュアル重視&ライトな情報収集層が多く、企業向け高単価商材のリード獲得には不向き。 購買までの検討プロセスが長い商材は相性が悪い。 |
複雑な機能を持つSaaSサービスの広告をLP一枚だけで運用 | LP(ランディングページ)単体では「比較・検討・導入判断」に必要な情報が不足しやすい。 特にIT商材では、機能比較・導入事例・FAQ・動画など複合的なコンテンツが必要。 |
地域密着型の実店舗ビジネスなのに、全国配信のディスプレイ広告を出稿 | 広告が見られても来店につながらない。GoogleやYahooのディスプレイ広告は広域配信が基本のため、エリアターゲティングをしていないと無駄打ちになりやすい。 |
このように「施策ファースト」で動くと、リーチや反響が得られず、予算と時間を消耗するだけになりかねません。
プロモーションの出発点は、「今の自社のフェーズ」「扱う商材の特性」「ターゲットの行動パターン」を踏まえたうえで、最適なチャネルと打ち手を選ぶことです。
成果につながる施策選定のための3つの視点
施策を検討する際に必要なのは、「とりあえずやる」ではなく、自社にとって最適な手段を見極めることです。
以下の3つの視点を押さえることで、ブレないプロモーション設計が可能になります。
1. 誰に届けたいのか?(ターゲット視点)
ターゲットが異なれば、有効なチャネルも変わります。
たとえば一般的な例を以下に記載します。
- BtoB決裁者には、信頼感のあるホワイトペーパー+展示会の連携
- 子育て層には、共感を生むInstagram投稿+ママインフルエンサーの起用
- 地域のシニア層には、チラシ配布+地域ポータルサイトへの掲載
「誰に届けたいのか」が曖昧なまま進めてしまうと、予算も労力もムダ打ちになる可能性があります。
2. 何をゴールとするのか?(目的視点)
以下のように、目的によって施策設計の方向性は大きく変わります。
目的 | 設計のポイント |
認知を広げたい | SNS広告、インフルエンサー、リーチ数重視 |
リードを獲得したい | LP + メルマガ登録施策、セミナー案内 |
顧客単価を上げたい | CRM、アップセル訴求、再購入キャンペーン |
信頼・関係性を築きたい | ストーリーブログ、成功事例、対談記事 |
目的が明確でないと、「やった気にはなるが、成果が見えない」状態に陥りがちです。
3. 自社にとって現実的にできることは?(リソース視点)
良い施策でも、人手・時間・予算が足りなければ意味がありません。
以下のような現実的な問いが重要です:
- 社内で運用できる人員はいるか?
- 外注する場合の予算は確保できているか?
- コンテンツ更新や広告運用を継続する体制はあるか?
「一度作って終わり」「予算が続かない」などでプロモーションが止まってしまうのを避けるためにも、施策選定時点で持続可能性を見極める必要があります。
成果につながるプロモーション設計の具体的な進め方
効果的なプロモーションとは、「やること」から考えるのではなく、「目的とターゲット」を起点に組み立てること。以下の流れで検討することで、手段に振り回されずに、本質的な施策を選ぶことができます。
プロモーション設計【ステップ1】マーケティングの3原則を明確にする
まずは、基本に立ち返って、以下の3点を整理しましょう。
- 誰に(ターゲット):年代・性別・属性・悩み・ニーズなど
- 何を(提供価値):商品・サービスのベネフィット/強み
- どうやって(導線):認知→検討→購入までの設計・チャネル選定
たとえば、「20代女性に美容系サプリを販売したい」といった場合、Instagramでの発信が効果的な可能性がありますが、30〜40代女性がメインであれば、Google検索や比較サイト、口コミ記事の方が適しているかもしれません。
プロモーション設計【ステップ2】現状の課題とボトルネックを見極める
「とにかく集客がしたい」「問い合わせが来ない」という理由だけで施策を決めていませんか?
その前にまず必要なのが、現状のどこで“詰まり”が起きているかを把握することです。
たとえば、「申込みが少ない」という状況一つ取っても、
- Webサイトはしっかり見られているのに申し込みがないのか
- そもそもWebサイト自体が見られていないのか
では、選ぶべき打ち手はまったく異なります。
にもかかわらず、「とりあえずLPを直そう」「広告を出そう」と、思い込みで次の手を打ってしまうと、的外れな施策にリソースを割くことになりかねません。
💡よくある課題とボトルネックの例
現象 | 主な課題(ボトルネック) | 見直すべきポイント |
アクセスが少ない | 認知施策が不足している | SNS運用、SEO、広告出稿、媒体選定 |
アクセスはあるがCVが少ない | 導線やオファーの訴求が弱い | LP構成、CTA設計、スマホ表示、フォームUX |
CVはあるが成約につながらない | 信頼・納得感が不足 | コンテンツ深度、導入事例、料金の明確さ |
リピーターが少ない | 顧客体験やフォロー施策が不十分 | CRM設計、メール施策、再購入の仕組み |
現場でよくある失敗例
「サイトから全く問い合わせがないから、webサイトを改修したい」という相談をいただくことがあります。
ですが、よく調べてみると、
- ファーストビューに「誰向けか」「何を提供しているのか」が見えづらい
- 問い合わせフォームの導線が遠く、モバイルでは見つけづらい
- メタディスクリプションが未設定で、検索結果に魅力的な説明が出ていない
- そもそも、顧客目線で商品(やサービス)が表示されていない
といった「根本的な伝わらなさ」が原因であることも珍しくありません。
分析を飛ばして施策に走るのではなく、まずは
🔹「今、どこが詰まっているのか?」
🔹「どの段階でユーザーが離脱しているのか?」
を把握することが、成果につながるマーケティングの第一歩です。
プロモーション設計【ステップ3】外部視点を活用して検討の質を高める
自社内でプロモーションの方針を決める際、気をつけたいのが「内輪の思い込み」による判断です。
とくにプロジェクトに長く関わっていると、ユーザー視点や市場感覚が抜け落ちがちになってしまいます。
そのときこそ重要なのが、「外部の視点」をうまく取り入れることです。
外部視点がもたらす3つの価値
外部視点の活用 | 得られる価値 | 例 |
客観的なユーザー視点 | ターゲットとのズレに気づける | デザインや表現が刺さらない理由が明確に |
多様な業界知見 | 過去の成功・失敗パターンを活用できる | 類似業界での効果的な施策を転用 |
冷静な分析視点 | 感情論ではなくデータから判断できる | LP改善や施策効果の根拠を数値で検証 |
たとえばこんな場面で…
- 自社では「読みやすく、わかりやすい」と思っていたサイトが、外部からは「専門用語が多くて伝わらない」と指摘される
- 「このデザインはおしゃれ」と社内で評価されていたバナーが、実際はユーザーから見て「何を訴求しているかわからない」と言われる
- 競合と比較したときの強み・弱みが、社内では見落とされていた
こうした気づきは、第三者の視点だからこそ見える盲点でもあります。
外部視点を得る方法
- 同業ではない第三者やユーザーへのヒアリング
- プロのマーケター・クリエイターへの相談
- UXテストやアナリティクス分析による定量的チェック
「一人の社外の声」が、チームの方向性を根本から変えるヒントになることもあります。
社内だけで検討が煮詰まってきたと感じたら、ぜひ外の視点を取り入れることをおすすめします。
それは「判断の質」を高めると同時に、誤った施策選定のリスクを下げる保険にもなります。
まとめ:成果につながる企画は「目的から施策を選ぶ」
施策先行でプロモーションを進めてしまうと、目的やターゲットとのズレが生じ、かけたコストに見合う効果が得られないという事態になりがちです。
だからこそ、成果につながる企画とは、以下のような設計になっています。
- 「誰に」「何を」「どうやって」届けるかを明確にする
- 現状の課題やボトルネックを把握した上で、適切な施策を選ぶ
- 外部視点も活用し、客観的に判断する
手段(=施策)ではなく、目的(=成果)から逆算した企画こそ、結果を生み出すマーケティングの基本です。
「自社に合った施策がわからない」「とりあえずで進めてしまっている気がする」
もし、そんな不安をお持ちの経営者・マーケティング担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

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